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article 第 2 章:「読む力」がもたらす価値

公開日: 2025-06-21著者: Yov in YovStudio

「読む力」はどう役に立つのか

この章では、3 つの観点から「読む力」がもたらす価値についてお話しします。
実務における読む機会、読めないことによるつまずき、そして読むことで見える世界の変化 ── そんなテーマで進めていきますね。

書けなくても、大丈夫

プログラミングっていうと、「コードを書けるようにならなきゃ」って思いがちですよね。「1人前にコードを書けるようにならなきゃ」と焦ってしまう気持ち、私にも覚えがあります。

でも、そんなときこそ一歩立ち止まって、まず「読めるようになる」ことを意識してみてほしいんです。

なぜかというと、実務でいちばん多いのは「コードを書くこと」ではなく、「コードを読むこと」だからです。

実務の多くは「読む」仕事

たとえば、ある日こんな相談が来たとします。

  • 「昨日からこの機能が動かなくなってて…」
  • 「このボタン、画面遷移じゃなくてダイアログに変えてほしいんだけど」
  • 「この API の戻り値、以前と違う形式で返ってきてるかも?」

こういう場面で最初にやること、それは原因の特定(=コードを読むこと)なんですよね。
私の体感では、コードを書いている時間よりも、既存のコードを読んで理解している時間の方が圧倒的に長いです。

書こうとして手が止まるのは、「読めてないから」かも

「何から書いていいかわからない」「真似してるけど意味がわからない」「バグ出たけど直せない」── こういう悩みって、実は「書けないこと」が問題なんじゃなくて、コードがちゃんと読めてないことが原因だったりするんです。

このシリーズでいう「読む」とは、コードを「何が起きているか」「なぜそう書かれているか」といった意図のレベルまで追いかけることです。

つまり、「読めてない」というのは、本当に読んでいないというのはもちろん、ただコードに目を通しているだけで構造や意図を理解できていない状態を言います。

私自身、「とにかく動いたからヨシ!」と「読めてない」まま済ませてしまって、結局あとから「なんでこう書いたんだっけ…?」と悩んだり、人に説明できなくて困った経験がたくさんあります。よく読まずに済ませちゃったツケが、あとから回ってくるんですよね…。

「読む力」がつくと世界が広がる

逆に、「読む力」が少しずつついてくると、いろんな変化が起きます。

  • 何を直せばいいか分かるようになる
  • よく見る書き方・命名パターンが見えてくる
  • 「あ、ここはちょっと怪しいな」と気づけるようになる
  • 知らない技術などに出会っても落ち着いて向き合える

それに、自分の書いたコードも、時間が経って読み返すと「何これ…」ってなることがあるんですが、「読む力」があればちゃんと向き合えるようになります。

「読む」といっても、最初から完璧に理解する必要なんてありません。むしろ、わからないところを見つけること自体が、大切な一歩です。
たとえば「この関数、どこから呼ばれてる?」「この変数、何に使ってる?」── そんな視点でコードを追っていくのも、立派な「読み」のひとつです。

じゃあ、何を読めばいいの?

最初は、小さめで意味が取りやすいコードがいいと思います。

たとえば、AI に「簡単なカウントアプリを作って」と頼んでみて、その出力をじっくり読んでみるのもおすすめです。
「どこでカウントを増やしている?」「クリックイベントはどう処理している?」── そんな観点で眺めると、動作の裏側が少しずつ見えてきます。

次の章では、実際に私と一緒にコードを読んでみましょう!どんな風に読み進めるといいのか、私なりの見方を交えながらお話しますね。

「読むこと」は、プログラミングの入口です

プログラミング学習の入口として、「読むこと」から始めるのはとても理にかなっています。これは私が 20 年近く現場でエンジニアをやってきた中で、すごく実感していることです。

「書けるようになるために読む」のではなく、「ちゃんと読めるようになったら、自然と書けるようになる」。
そんな順番もあるんだ、と思ってもらえたら嬉しいです。